SODA STUDIO新作ブログ 2016- 』  記: 曽田耕





なにしみの始まり
(2016年9月)

順調すぎる
(2016年10月)

まってました難関
(2016年11月)

アンコンよりノーコン
(2016年12月)

結局たのしい
(2017年1月)

完成―!
(2017年2月)




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完成―!
(2017年2月)

感じ良く仕上がった。具合もよいです。
何と言えばいいのか、靴が完成してこのように嬉しく思うのはひさしぶりに思う。

学校を出て、まず始めたのは石膏型による靴作り。その何度目かに白いひもの青いブーツを作った。嬉しかったのを覚えている。
数年して、靴型を使わない靴作りをはじめて、モカブーツの原形のようなものが完成した日、うれしくて、6畳のアパートで枕元に置いて寝たのを覚えている。
今回の試作品の完成はこの頃の嬉しさを蘇らせる。

仕上がる直前までは、実に淡々とした気分だった。
日常が割といそがしくて、合間合間に底付け作業を進めた。
カタくて気負っていた本底を、ふらりと裁ってみたらスイスイと裁ててしまった。
正確に言うと、一回目は包丁をピンピンに研いで挑む気負いよう。あっさりと刃こぼれ。数日して二回目は、包丁を持った何かのついでで、不思議なくらいスイスイだった。 研ギタテデ無イ方ガ切レル事モアル。
ダシ縫いも久しぶりだったが、順調。一周一時間でやれた。これなら気軽で、またいつでもやれる。これは確かめたかったことのひとつでした。
そして、化粧ゴム。前段階のスクイ縫いが、ごく当たり前に進行できたのがきっと良くて、平らが出ていたので、化粧もトンっとのった。

靴型を抜く前にもう一度なんとなしに、、赤いアッパーを染め直してみた。
ここひと月の間に仕事場のあちらこちらから、かつて買ったり貰ったりしたインクとか靴ずみとか革用染料とかが発掘されていたのだ。
その中のオレンジが気に成った。チューブのふたを開けてみたら、固まっていた。詰まっていた。目打ちで刺して強く押したら、にゅ―ッと噴出。
少しと思っていたのに。でもこれが良かった。
そこは絵の入口。
こっちも塗る。
あっちも。
拭き取る。
キリフキしてみる。
もう一度塗る。
別のインクはどうだ。
そうしてなんだか気持ちがのっていく。
今回の試作の中で、コバの事は考えられていないと気がかりだったのだけど、この流れのままにコバにもクリーム。拭き取る。キリフキ。棒でこする。
絵として仕上がった。

思えば今回の試作ははじまりから、仕上がりまで、実はARTがジャッジをしたわけで、少なくとも自分の中では活気的な事。 過去の自分の記録とか、何かの資料とかを見る事は一度もなく、常に目の前のブツと対峙しマルバツをつけるやり方。
近年確信している、ARTというジャッジが発揮されまくったやり方で、だからきっと、今回の結果がとても嬉しいのだと思う。

さて、これから気候が良くなる。
ブーツが不要になる。実履きテストを日々日々やってみよう。

ブタ革の具合は?
染めの変化は?
ミシン糸はほつれないか?
複式縫いは本当に中底が足裏に合ってくるのか?
革底はどんな快適さなのか?
インソールはやはりいるのか?
ウエッジの安定感はやはり欲しいか?

ひとまず、この記録ブログも一区切りにします。
ああ、出来上がって数日たっても、まだうれしい。
ああそしてなんてことだ、実履きテスト前に、この経験を踏まえた次のアイデアがぶら下がっているではないか。





結局たのしい
(2017年1月)

救い縫いをして、中ものをいれて、本底を仮止め、まで進みました。
パパッと切り回しをするつもりが、この本底がこれまでにないくらいの堅さで、これは片手間でなく本腰をいれてやらないとダメと判断。
このひと月は諸々でちょっと忙しく、ここまでと成りました。

忙しくしています。
来月アタマから100bagsを3カ所控えているというのに、ノニ、1/20まで友人のお店の内装工事で通勤の日々。
タノシカッタ。
それと通常の卸などの製作。
誰が計画したのかと疑いたくなる密度をすごしていたが、もう間もなくそれもこれもやりきれる見込みで、その満足感で満たされている。

こう成ると、新作の開発どころではない。本当はこの事態はまずい。一時にとどめたい。
それにしても、新作が構築されるときのアレヤコレヤ、キセキ、グウゼン、ヒツゼン、これらのスリルと面白さをつかまえて記録しようとこのブログをはじめたのだけど、狙った靴の中では、ほとんど何もハプニングが起きないじゃないか。
(もしかしたら、本底の異様なる硬さが、なにかの入口かもしれない。)
期待してはだめですね。そう言うものなのかもしれないな。

このひと月、えものの周りでは色々起きていたのにな。
スターネットのilチェアーの製作では、革を柔らかくする機械でトラブルを起こし、結果革をしわしわにしてしまい数日間あきらめていたのだけど、濡らしてから釘で板に張って後日もう一度その機械に通したらいい具合になった。
ついでに、その施設に居合わせた、染め屋さんに、前回のブログでかいた色の質問をした。いい提案をもらうことができた。なにか出来そうだ。
ニコの100カップス展をうけて、フーコの新しいバングルの試作がはじまって、なかなか面白く進行中。
友人の店の内装工事では、工事前の什器や設備のばらしたものを取っておいて、それらのみで再構築して、材料を新しく買うことなく、又捨てる物もなく、新しく素敵な空間を作る事が出来た。
100bagsの準備では、NPWにからみ込める新しいパーツがうまれたし、定番のカゴの新アレンジが生まれた。

さて、この異様な忙しさは2/21までです。待ってろよ、硬い革。
包丁がかけまくって、ダシ針がぽきぽき折れたりして。なつかしい。






アンコンよりノーコン
(2016年12月)
赤く染めてみました。とてもいい感触。
赤の靴クリームを買いに行ったけど、チューブで直に塗れるタイプは黒と茶しかなくて、仕方なく明るい方の茶を買ってきたのです。それで、その茶を塗ってみたら、なんとその印象は赤。おお赤じゃないか、と喜んでいるのです。

今回は、釣り込んだ後に甲革にさーっとペーパーがけしてからクリームを塗ってみました。
経験値が低く(何せまだ2回目)、なにか効果があったのかどうか分からないけど。これから分かるのかもしれないけど。
靴クリーム技法、気に入っている。とても楽しい!暴れて!!
先日、靴クリーム技法を20年も前からやっている友人に聞いてみた。このごろやらないね、と。
そうしたら、あのやり方は、最高も最低も生まれてコントロールが難しいと笑った。
そうか、なるほど、それはますます自分には嬉しいかも。
これをやると、もう、既存の革の色が物足りない。予定調和だからだ。
なんでもかんでも色を塗ってしまいたい衝動がおきている。
同じ黒でも、下地が違えば無限の黒になるのではなか。それに作業上のノーコントロールが合わさると、もう無限の入口だろうな。
今度、染革屋さんに会った時、ぜひ相談してみたい。

画像では分からないが、中底にはリブを掘った。
リブ掘り作業は、何年ぶりだどうか。5か10か。
難しいぞッ、慎重にッ、なんて思っていたら、あっさりとすーすーっと出来てしまった。
やらないうちに技術が上がっていた。手は覚えていた。ま、それはあたり前にも思う。

グッドイヤーというこの製法が、王様なのかどうか、わからない。
工程が長く複雑で、楽しいのは間違いない。
修理もしやすい。頑丈で見かけもごつい。
これらは、歴史というか時間が構築したもので、そのことは隅にはおけるわけもない。
とても好きで、25年前学校で勉強していたとき、卒業間近はこればかりに集中した。

ただ、個人の仕事としてはどうなのだろうか。
ニーズとしては本当の所どうなのだろうか。
多様なモノサシを用いると、ちょっと大げさな技法にも感じる。
この点につて、今回の新作開発の中で、考えを少し進められる気もしている。
現在ツリコミが終わり、ウエルトも準備したので、次はスクイ縫いから。年明けか。年内か。

新作といえば、今月は、まもなくの「100カップス」展の準備をしている。
やってみるとカップスは、バッグスよりもシューズよりも、それはそれは自由だ。
どんどん見た事の無いものがうまれる。
カップがトリになり、トリにトサカが付き、そのニワトリがバッグに成り、もはやカップスではないのだけど、まあそれでもその流れは悪いモノではあるはずもなく。
カップからサラができて、サラに顔が付き。
ウマができて、カメができて。

楽しいなあ。ただ遊んでいるみたいだ。
こうなると、積極的に電車で出歩く事も重要な業務になっている。電車の中でのアタマ、散歩中のアタマ、それぞれにモードがある。
寒い中、速足で歩くのは随分と気分がいい。




まってました難関
(2016年11月)
2回目の試作は右足でつくりました。
1回目が左足だったので、まがい成りにも両足そろいました。 やはり履いて歩いてのテストは楽しい。
今回の右足は前回の結果が反映されていて、制作も上がりもじょうじょう。
スムースすぎて、盛り上がりに欠けるのだけど、こんなもんかな。これからなのかな。 難関を期待して難関が来ないから、つまりこれが難関なのかな。

次はいよいよ、外で歩けるタダシイ製法で制作します。
せっかくだから、久しぶりにグッとイヤー製法で革底にしようかな。
アルキニクイカ?? 
アッパーを黒く染めるのは具合をつかんだので、他の色も見てみたい。赤とか見てみたい。深い赤とか。
靴の色についてこんな風に考えるのははじめてだな。

新作でも試作でもないけれど、ここ2週間は部屋を新しく作っていました。
小さいが温かくリッパな部屋が出来ました。
ある人に、靴づくりと空間づくりが相似形だと言われたことがある。
きっとそうだろうと受け止めてはいたけど、今回部屋を作りながら、そのことが頭をまわる。 その時、有能な助っ人の小3に言われた。
「設計図ないの?!」
そうだ、自分のやり方はどっちにも設計図がない、と気が付いた。
部屋作りの手始めは、何もない所にベットと机を配置することから始まった。
元々の窓との関係、柱や梁との関係、これらとそれらを絡めると、大きさはほぼ決まってしまった。 次に建具のストックを出してきて、当てながら、扉1つと窓1つを決定。 内装の壁と床は、手持ちの材(コンパネ、杉板、ペラ合板、断熱防水板)を、余すことなく組み合わせて貼り合わせた。
丁度使い切ったら、白ペンキと白木のキレイなバランスがうまれた。
絶えぬスリルを少し感じつつ、でもやはり、設計ではきっと生まれない想像外の空間が生まれ、とても満足している。

部屋の工事をしている頃、靴仲間の神田さんが寄ってくれた。
彼女は、彼女が新しく開発した靴をはいていた。
聞いてみると、開発方針が自分が今やっているそれと、ほぼ一緒で驚いた。面白い!
デザインの方向、構造、価格帯、足との関係、ナド。同じことを考えてたのだな、つまりそういう時代なのだな、と思った。
しかし、それでいて、出来上がってくる靴の印象はまるで違うのだから、面白い!




順調すぎる
(2016年10月)
先月から、ひとつの靴の試作を追って記録をしている。
頭の中は勿論この靴だけではないく、他にもいくつかの事柄が同時進行している。 同時進行と書いてしまうと、沢山のことを同時に考えているみたいだけど、正確に言うなら沢山のアイデアがそれぞれ途中の壁に当たっていて待機状態にある。 ふとした時に、その中の一つのヒントがぴかりと来るので、それを進められるところまで進める。次の壁まで来た所でスエオク。
つまりただ放っておいている時間。無理に考えることはしなくて、脳君が考えられている所まで手君が実現してみせる。
手は苦しまないし脳も苦しまない、このやり方はとても気に入っている。

このひと月で、注目している靴とは別の2つに動きがあった。これにつても軽く記録しておくことにする。
一つ目は、靴だか鞄だか小物だか、本当に着地のみえていないもの。
橋本商店が新しく取り扱い始めたと言うゴート革。これで何ができるのか。 黒のベジタブルのゴート。地しぼが自慢。厚さも自慢で2ミリもある。程よいかたさを感じる。魅力的だ。 橋本商店の革でここ数年、鞄「Has」を作っているナチュラルのシープも肉厚でいいが又ちがう魅力がある。
ひとまず1枚購入して眺めている段階。
シープの様には使えればそのままHasを作っただろうが、そうでもない。色的に、厚み的に、価格的に。 でもやはり、ここからデザインを切り抜くのではなく、このまんまを利用したいという方向性はHasと同じ。ごみの意味とデザインの意味で。
Hasとは別のやり方を志向していた。思考はしていないで待っていた。
きっとこれはしばらく出ないと思っていた。
ら、出てきた。ぴかり。
ゴート革のアウトラインそのままの周りに別の革を足して四角形にもって行ければ、鞄に成る、というアイデアだ。
ゴートが黒なので、周りに足すのは白かな?ナチュラルかな?ミシン糸は黒かな?白かな? などなど思いを巡られて、翌日さっそく実行。上記のことその他はすべては手を動かせば自然にきまった。
物凄く良い手ごたえ。嬉しくて橋本さんに見せに行ったくらい。とは言え、まだ四角く成っただけ。
きっと鞄になる。トート?リック?ファスナーつけちゃう?またここから当面眺めてすごそう。

二つ目は靴。2009発表のS4というバックストラップの靴があった。人気だった。現在は事実上の生産ストップ。
革底が功を奏して軽くて良いのだけど、製法上の強度の事と材料の供給が現状での問題。
それで生産はストップしているが、実はリクエストはストップせず、リニューアルは頭にずっとあった。
懸案の底周りだけでなく、リニューアルなら他の箇所も全体で再検証したい。と言う思いであちこちについて、メモを取るでもなく考えるでもなく考えていた。
実は今月は西日本でひっそりと展覧会がある。先方からいくつかの靴や鞄のリクエストをもらっていて、その中にやはりこのS4も含まれていた。
展覧会の準備は、リクエストに確実に答えられるもの(つまりS4以外)から進めて、最後にS4が残り、準備時間も残った。
では、とリニューアルに取り掛かった次第。根っこに嬉しさが在る。自分自身やりたかったのだ。
しかし、今回はいつものやり方とはっきり違っている点があり、やや不安がよぎる。
頭の中で思考と志向を沢山してきたけれど、実際の実験はひとつもやっていない。
ぶつけ本番。
時間のなさがやや不安。同時に、元々のS4というフォーマットの存在が安心感をもたらしてもいる。
進めてみると、節々一々、ここはどうするのかと言う選択肢がやってくる。AかBか。分からない。
それぞれにメリットがありデメリットがある。絵で思い浮かべてみるが、はっきりとした像に成らない。
こうゆうのは試作でテストをすれば一目瞭然なのだが。 今回はその時間は無い。
では、止めるか?でも、この体験もそろそろ面白そう、なんで思ってしまうのだ。
やっと予定調和から完全脱却できるのでは?!と。
頭でまよった事もまとまった数の作業として手を動かすと、あっさりと決まってしまう事もあったり。そうか!そっちの決定方法があった!と思うのです。
そうやって大方の着地は見えてきたが、完成までまだまだ目は離せない感じ。
どうなるのかな?「S4R」。実験をしないという実験。

さて、ようやく本題の靴の試作の記録です。
靴型を用意して、原形をとり、ひとつ目の試作をしました。実態が出で表れて、喜んでいる所です。
原形は一般のやり方よりず--っとスピーディなやり方をしています。
このやり方は10年まえ(もうあれから10年!)、斎藤先生のところで靴型の勉強をはじめた時、この勉強を続けていくためには、これまでの一般的な原形の取り方では時間がかかり過ぎると直感。
その時に工夫し構築したやり方。
靴型をいじるたびに、原形どり作業にエネルギーを使ってしまっては、肝心の靴型のことに注げるエネルギーが減ってしまう。
原形などはスムースに通過せねばという直感は、我ながらなかなかの目の付け所です。
同じような着眼としては、ミシンを本格的に使い始めた時に、これは下糸が切れた時の処置を決めておいた方がいい、と思って方法を構築したことを思い出す。
原形の方法については今回も役立った。 原形を超えて靴型を超えて、目的は靴!
さて作りは、S3、S4のようなダイレクトなものを考えていた。 ウラ革を釣り込んでそこに直ににデザインを張り付けていくというダイレクト。
線やバランスは、平面上で分かるはずもない。又、重点とそうでない点が平面のデザインを通過すると均一になってしまうのも問題だ。
ダイレクトなら、重点はオモク、そうでない点はサラリと描くことが可能だ。
今回はS3S4とは別の方法、なんていうかもっと安定感というか、違うニュアンスに成らないものかと思っていた。
そこに又、あたり前の様な顔して、奇跡のぴかりがやって来た。びっくりだ。
ウラ革と甲革を中間紙型で袋にして釣り込む。そして、羽根と舌革を付け加える。
トップラインにぐっと安定感がでる。ミシン目も保護される。
今回は贅沢さもキーに成っているので、後部はハギ無し、革をひとつながりにして、前部のみ縫い割りハギ。

出で表れた実態を目の前にして、色々気が付く。
袋にするための縫い割り代は思った以上、もっともっと必要だ。
内のり外のりのプラス6ミリは妥当だった。
ナチュラルに黒塗りも予想以上にイイカンジ。可能性を感じる。
羽根はもう少し大きくてもいい。
そう言えばインソールの余地を設けていない。
それに関連して底はウエッジの方がいいのか。
型を抜いて足をいれてみれば、また色々と気が付けるはずだ。

ここまで。
次回はたぶん、上記に基づいて、靴型の修正からはじまり、原形どり、紙型の修正、そして2つ目試作。かな。
まだ次も片足かな。両足で歩いてみたいけど。

今回は色々専門用語を多用してしまったのが気がかりと言えば気がかり。ゴード、シープ、原形、中間紙型、羽根、舌革、縫い割り。
ひとまず、ま、いいか。




なにしみの始まり
(2016年9月)
産みの苦しみ、なんて言い方を時々耳にするけど、実感できない。男女差なんだろうか。
靴やその他の新作の話。19で靴をはじめた後も、その前だって、毎度ただわくわくしながら楽しみに待っている、と言うのが実感だ。

鞄のPWカバンがうまれたのは、靴がはじまってしばらくたった20年前。
靴を作るうえで発生する裁ち落としをとっておいたら、当然に置く場所がなくなってきた。
このままではそのうち問題に成るとおもい、その時ひとまず、なんでもかんでも同じサイズの正方形に切って取っておくことにした。
それをどう組み合わせるかが唯一のテーマだった。沢山実験試作した。
作っては試し、改造しては試し、人に見せたり、そうするうちにひとつのやり方で進みだし、個人的選択肢が無くなって来て、そしてPWカバンが完成した。うまれた。
人気だった。コピーもいろいろ出回った。関係なかった。自分の中ではPWShort、PW2、PWmini、などに広がっていた。
14年目にはふとNPWに発展した。さらに4年後NPWはNPWfに成った。
さらに2年後の昨年、NPWfはNPWfリック型に発展した。
PW → NPW → NPWf → NPWfリック型。
また一方でNPWはワークショップというビジネスにも発展している。古本さんが展開している。面白い。

どの時点でも言えることは、考えたり試したりするのは材料の事とそれに見合った構造の事だ。
構造が決まったら試作して、試作が又構造の変更をもたらす。構造が変更されれば、又試作で試したくなる。どこへ行くのかまったくよめない、のがいつも楽しみで、苦しみとはやっぱり程遠い。
このやり方は、不思議と言うかあたり前に、いつも見た事のないものを生む。オリジナルなど無いとか、模倣がどうのとか、編集しかないとか、ぼやかれている昨今にとても良いやり方だと思っている。
そんな具合で、これまで仕事と言う中では25年くらい沢山の新作を生んできた。そろそろ、そのプロセスをスタートから記録したいと思ったりしていた。

毎年夏は長崎に滞在する。今回は出来立てのNPWfリック型の最新版で出かけた。実践テスト。本当の機能性はジッセンではっきりする。
電車内で。飛行場で。滞在先で。サンポ中に。意外にも使い勝手が随分いいな、などと味わいながら。
滞在の終盤の帰りの飛行場で、NPWfリック型合格!とか思っていた矢先の事。突然、次の命題が降ってきた。
今度は靴。
この頃、ある種のお客のニーズを感じている。
それを根底に感じつつ、自分で履きたい靴がある。
いつものように具体的な姿はみえていない。作り方の手順や構造のイメージが降ってきたのだ。
靴らしい靴。紐靴かな。革底かな。シンプルがいいのは勿論、丈夫な底。
インソールが有ってパット修正もいろいろ試してみたい。
ロウ盛りの靴型にももっと取り組みたい。

甲革はナチュラルを靴墨で黒に染めるのが素敵そうだ。縫い目は少なくリッチにやりたい。
ひもはこれまで使ってきたものとは違う感じかな。探さないと。
なるべく、紙型のない、靴型上での現場合わせがダイレクトでいい。

そういう靴を履きたいと思ったのだ。素敵そうだ。
もちろん、それは仕事にも発展できそう。底付けは好みや使い道を反映できるし、アッパーデザインも色も希望を自由に取り込めるのではないか。
楽しそうだ!

それで、この際この試作をタイムリーに記録しておこう。ただメモでは張り合いがない。超ひっそりながらブログ形式としよう。どのようにアップしてリンクするのが良いのだろうか。分からない。
ペースは定期的とはいかなが、ひと月に一回は更新したい。
これまでの経験で言うと、着地まではきっと一年くらいかかるだろう。はたして、どんな着地がまっているのか。分からない。
ブログ形式で記録するという事も影響してしまうのだろうが、それはそれでいい。
ひとまず、来月中に靴型のロウ盛り修正をやってカタチを見てみたいものだ。再来月は時間のゆとりがありそうなので、具体的試作が出来るかもしれない。

手始めに甲革を染めてみた。紙にえがいてみた。
このブログはどこにリンクをはろうか。